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2020年01月29日
あけましておめでとうございます。
今年もピースおおさかをよろしくお願いします。
昨年末は一年の記憶が思い出せないくらいに暴飲し、胃も心もまっさらな気持ちで新年を迎えましたが、直後に風邪をひいてしまい、現在必死でブログを書いています。
治ってから書こうと思っていたのですが、今年の3月のウィークエンド・シネマについて、いち早く皆さんにお知らせしなければならないという僅かに残っていた使命感を振り絞りキーボードに向かいました。
今年は東京、大阪、神戸、名古屋が大空襲に見舞われて75年になります。
3月は各地の大空襲に関連した映画を週替わりで上映し、空襲がもたらした影響について名作を通して知っていただければと思います。
まず1作目は「まあだだよ」を上映します。
3/7
~東京~
この映画は随筆家内田百閒の随筆を基にした、彼の教師時代の教え子たちとの交流を描いています。
内田は作家活動に専念するために大学を退職しますが、彼の人柄を慕う教え子たちがその後も足繁く訪ねて来ます。
空襲により自宅が焼失してしまいますが、教え子たちの尽力により新しい家が建てられました。
心温まる師弟関係を通して、生きることの大切さが語られている、黒澤明監督の最後の作品です。
次に2作品目は、大岡昇平原作の「明日への遺言」を上映します。
3/14
~名古屋~
陸軍中将岡田資(藤田まこと)は、太平洋戦争末期、名古屋を空爆した米軍捕虜を処刑した責任を問われ、B級戦犯の裁判にかけられました。
家族が見守るなか、彼は一人で裁判に挑み、その姿勢は次第に法廷内の人々の心を動かしていきますが、やがて判決が下されることになります…。
監督は「雨あがる」「博士の愛した数式」を世に送り出した小泉堯史。
目まぐるしく変わる社会のなかで、自分らしく生きていくにはどうすればよいのでしょうか。
激動の時代の物語から、なにか見つかるかもしれません。
最後の3作品目は、野坂昭如原作のアニメ映画「火垂るの墓」を上映します。
3/28 火垂るの墓
監督:高畑勲 制作:スタジオジブリ
~神戸~
昭和20年の神戸は、連日B29による空襲にみまわれ、清太と節子の兄妹は母親を亡くし、家を焼け出されてしまいます。
西宮の親戚を頼り身を寄せることになりますが、叔母との同居に耐えられず、やがて親戚宅を離れ、近くの防空壕で兄妹水入らずの生活はじめます。
しかし、楽しい日々はやがて終わりをむかえることになります。
命の尊さを伝え続けている不朽の名作です。
3月はさまざまな変わり目の時期かと思いますが、ぜひこの機会にピースおおさかで気分を入れかえられてはいかがでしょうか。
皆さんのお越しをお待ちしております。
2019年11月27日
秋晴れが心地良いですね。
先日、館周辺の掲示板を巡回していたら松茸が生えていると声をかけられ、思わず見に行ったらオオシロカラカサタケというキノコでした。
上ばかりを見てしまいがちな紅葉狩りですが、足元にも注目したいですね。
さて、今回は来年の1~2月に上映予定のウィークエンド・シネマについてご紹介します。
1月は「戦場よさらば(武器よさらば)」を上映します。
【80分 モノクロ 1932(昭和7)年 アメリカ】
11日(土)、18日(土)、25日(土) 各日14:00~
舞台は、第一次世界大戦下のイタリア。
イタリア兵に志願したアメリカ人将校のフレデリック・ヘンリーは、ある夜、空襲から逃れるために駆け込んだ防空壕でイギリス人看護婦のキャサリン・バークレイと出会います。
惹かれあう二人でしたが、ヘンリーはやがて戦場に送られます。
互いに手紙を送り続けますが、なぜか届く気配がありません。
不安を覚えたヘンリーは、軍を脱走してキャサリンの元に向かうのですが、物語は衝撃的な展開へと流れていきます。
第6回アカデミー賞を2部門受賞した、ヘミングウェイ原作の素晴らしい映画です。
2月は「これは映画ではない」という作品を上映します。
【75分 カラー 2011(平成23)年 イラン】
1日(土)、8日(土)、15日(土)、22日(土) 各日14:00~
反体制活動をおこなったとして、20年間も映画製作を禁じられたイランのジャファル・パナヒ監督。
本作は、監督自身が自宅軟禁中の生活を撮影したドキュメンタリー映画であり、映画でなければ違法ではない、というアイデアから製作されました。
アパートの一室で構想中の脚本を再現するパナヒ監督ですが、タイミングよく住人が犬を預けに来たり、ゴミ回収の青年が現れたりと、どこまでが偶然で、どこまでが演出なのか、スリルのある展開から目が離せません。
今年も残すところ1ヶ月ほどとなりましたが、たくさんのご来館をお待ちしております。
2019年10月16日
ピースおおさかの専門職員 駒井詩子が
第1回ヤン・コヴァレフスキ 中佐記念賞 外国人部門を
受賞しました!!
『ヤン・コヴァレフスキ中佐記念賞』は、ポーランド・グダンスク市にある
第二次世界大戦博物館とグダンスク工科大学が設立したもので、
ポーランド文化・国家遺産省や外務省、科学・高等教育省が後援している
国家レベルのプロジェクトです
駒井専門職員は、ピースおおさかの特別展
「カティンの森事件-22,000人のポーランド人将校の行方-」を企画し、
日本におけるポーランド史の広報活動に対して成果を挙げた外国人として
評価を受けて選出されました。
受賞者の中で、ヨーロッパ圏外の地域から選ばれたのは彼女一人です
授賞式は、2019(令和元)年9月28日にポーランド・グダンスク市の
第二次世界大戦博物館で行われました。
会場ではピースおおさかの施設紹介をはじめ、特別展の様子や
駒井専門職員のインタビュー映像が上映されました
授賞式の様子は、第二次世界大戦博物館のホームページでも
確認することができます。
また、ポーランド広報文化センターのFacebookでも紹介されました。
2019年10月02日
いったん涼しくなったかと思えば、また暑くなってきましたね。
喉が渇く日々が続いていますが、ピースおおさかに設置している自動販売機で飲み物をお買い求めいただくと、その売上の一部を平和基金事業に活用させていただきますので、大阪城公園を散策される際は、ぜひご利用ください。
今回は11、12月に上映しますウィークエンド・シネマについてお知らせします。
11月は「わが故郷の歌」(日本語字幕)という作品になります。
イランのクルド人村に住む老歌手・ミルザの下に、イラクへと渡った元妻・ハナレから助けを求める知らせが届く。
彼女を救うために、二人の息子を引き連れて、平穏なイランから戦乱のイラクへと旅立つ。
爆撃音が響く中、ミルザたちは、行く先々でクルドの歌を高らかに歌う―。
イラン・イラク戦争終結後の国境地帯をを舞台に、親子の珍道中を力強い歌に乗せて、鮮やかに描く。
【100分 カラー 2002(平成14年) イラン】
【監督】バフマン・ゴバディ
【出演】シャハブ・エブラヒミ、
アッラモラド・ラシュティアン ほか
【上映日時】2、9、16、23日(土)14時から
そして、12月は「シアター・プノンペン」(日本語字幕)を上映します。
カンボジアの首都プノンペン。ある日、女子大生ソポンは、廃墟のような映画館で古い恋愛映画を鑑賞する。そこには、若き日の母が映っていた。しかし、映画は途中で終わっていた。ソポンは、病床に伏す母のために、完成させようと決心する。ポル・ポトの独裁政権時代をくぐり抜けた一本の恋愛映画をめぐり、激動の時代を生きた人びとの数奇な運命が明らかになってゆく…。
【105分 カラー 2014(平成26)年 カンボジア】
【監督】ソト・クォ―リーカー
【出演】マー・リネット、ディ・サヴェット、ソク・ソトゥン ほか
【上映日時】7、14、21日(土)各日14時から
今年の冬は、ピースおおさかでじっくりと映画を観賞されるのはいかがでしょうか。
皆さんのお越しをお待ちしております。